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韓国惣菜(パンチャン)B2B調達ガイド — チルド物流・MOQ・卸値の実務
韓国惣菜(パンチャン)市場の現状と日本B2B需要
韓国惣菜市場は2023年時点で約4.2兆ウォン(約4,500億円)規模に達し、うち輸出向けは前年比+18%で成長している。日本向けB2B調達では特にキムチ(白菜・大根・きゅうり)、ナムル(もやし・ほうれん草・ぜんまい)、チャンジャ、チヂミの4カテゴリーが全体の約68%を占める。
日本国内では焼肉チェーン・韓国料理専門店に加え、総合スーパー(GMS)の惣菜コーナーや中食業態での採用が増加。特に2022年以降、「パンチャンセット」(小鉢5-8種盛り合わせ) の業務用需要が年率+22%で伸長している。背景には①単身世帯の中食需要、②韓流コンテンツ連動の認知拡大、③健康志向(発酵食品・野菜中心)がある。
主要サプライヤーと製品ラインナップ
韓国惣菜B2B市場では3つの供給源が存在する。
| サプライヤー分類 | 代表例 | 最小取引単位(MOQ) | 卸値レンジ(円/kg) | リードタイム |
|---|---|---|---|---|
| 大手食品メーカー | Daesang, CJ Cheiljedang, Dongwon | 1,000kg~ | 500-800 | 釜山→博多 3-4日 |
| 専門パンチャンメーカー | Sajo Haepyo, Pulmuone, Hansung | 500kg~ | 700-1,200 | 仁川→成田 5-6日 |
| OEM/地域工場 | 光州・全羅道地域の中小工場群 | 300kg~ | 600-1,000 | 変動大(7-14日) |
**Daesang(大象)**は業務用キムチで日本シェア約18%を持ち、500g・1kg・5kgの業務用パックを展開。CJ Cheiljedangはナムル類とチャンジャで強く、特にチルドチャンジャ(明太腸)は日本の焼肉チェーン納入実績が豊富。**Pulmuone(プルムウォン)**は有機認証取得製品ラインで差別化し、自然食品店・高級スーパー向けに特化している。
製品カテゴリー別では:
- キムチ類: 白菜・大根・きゅうり・水キムチ — MOQ 500kg~、賞味期限チルド30-45日
- ナムル類: もやし・ほうれん草・ぜんまい・大豆もやし — MOQ 300kg~、賞味期限チルド14-21日
- 海鮮加工: チャンジャ・イカキムチ・塩辛類 — MOQ 200kg~、冷蔵7-14日
- その他: チヂミ(冷凍)・ジョン(冷凍)・煮物 — MOQ 500kg~
チルド物流とコールドチェーン要件
韓国惣菜の日本B2B調達では温度管理が最重要となる。大半の製品が2-5℃のチルド帯を要求し、一部ナムル類は0-2℃での輸送が推奨される。
主要ルートと所要時間
- 釜山港→博多港 (フェリー): 3-4日、週5-6便、20ftリーファーコンテナで約12-14トン積載
- 仁川空港→成田/関空 (航空): 5-6時間フライト+通関1日、ドライアイス・保冷剤併用
- 釜山港→東京港 (海運): 6-7日、週3-4便、40ftリーファーで約24-26トン
リーファーコンテナ(冷蔵コンテナ)輸送の場合、20ftで運賃約18-25万円、40ftで28-38万円(2024年Q1相場)。航空便は1kgあたり800-1,200円と高コストだが、ナムル類など賞味期限の短い製品では選択される。
通関時の注意点:
- 食品衛生法に基づく届出(厚生労働省検疫所)— 初回は成分分析書・製造工程図が必要
- 原材料に唐辛子粉を含む場合、残留農薬検査が求められるケースあり(検査期間+3-5日)
- キムチ類は「漬物」扱い、ナムル類は「そうざい」扱いで表示基準が異なる
価格構造と利益率設計
韓国惣菜B2B取引の典型的な価格構造(2024年実例):
- FOB価格(釜山港渡し): 500-900円/kg(製品グレード・メーカーにより変動)
- 海上運賃+保険: +80-150円/kg(20ftリーファー、500kg単位換算)
- 通関諸費用: +30-50円/kg(検疫・通関手数料・保管料込み)
- 国内物流(港→倉庫): +40-80円/kg(関東圏の場合)
- → 着地卸値: 650-1,180円/kg
日本国内の業務用卸では1.3-1.6倍の掛け率が標準的。例えばキムチ1kgを800円で調達した場合、焼肉店・スーパーへの卸値は1,040-1,280円となる。最終小売価格は用途により異なるが、外食では100gあたり150-250円、小売パック(200-300g)では380-680円が相場。
利益率確保のポイント:
- 混載最適化: 複数SKU(品目)を組み合わせてコンテナ充填率を95%以上に
- リードタイム管理: 賞味期限30日の製品なら、輸送4日+通関2日+配送2日=残存22日を確保
- 返品ロス対策: 初回取引ではMOQ×1.2程度の余裕を持たせ、テスト販売でロット調整
商談から初回発注までのステップ
韓国惣菜メーカーとのB2B取引開始には通常60-90日を要する。
Step 1: メーカー選定と引き合い(1-2週間)
- TOTAROプラットフォーム等で製品カタログ・HACCP認証・輸出実績を確認
- 初回問い合わせ時に「対象製品・想定MOQ・希望納期・販路(外食/小売)」を明示
Step 2: サンプル評価(2-3週間)
- 航空便サンプル(通常1-3kg、有償が一般的)で味・パッケージ・賞味期限を確認
- 自社厨房または提携先での試食・オペレーション検証
Step 3: 条件交渉(2-4週間)
- FOB価格・MOQ・決済条件(T/T 30日後払い or L/C)・独占販売権の有無
- 日本語ラベル対応の可否(多くのメーカーは無償対応可能)
Step 4: 初回発注・輸入通関(4-6週間)
- Proforma Invoiceに基づくデポジット送金(通常30-50%)
- B/L(船荷証券)受領後、通関業者へ依頼
- 検疫所届出・食品衛生法適合確認・関税支払(キムチ9.6%、その他惣菜10.0%)
Step 5: 初回納品と評価(1-2週間)
- 温度ログ確認・製品品質チェック・在庫配置
- 販売データをもとに次回発注ロット・SKUミックスを最適化
よくある質問(FAQ)
Q1: パンチャン惣菜のMOQはなぜ500kg前後が多いのか?
A: チルド物流の経済性による。リーファーコンテナは最低500kg積載しないと単位あたり運賃が割高になる。また韓国メーカー側も製造ロット(通常1バッチ=800-1,200kg)の都合で500kg未満は非効率。航空便なら100kg~可能だが運賃が3-4倍になる。
Q2: キムチとナムルで賞味期限が大きく違う理由は?
A: 発酵度と加熱処理の有無。キムチは乳酸発酵により保存性が高く、未開封チルドで30-45日。ナムルは茹で野菜+調味液の組み合わせで微生物繁殖リスクが高く、14-21日が限界。輸送+通関で7-10日消費するため、ナムル類は残存期限管理が特に重要。
Q3: 韓国メーカーとの決済はドル建てか、ウォン建てか?
A: 約70%の取引がドル建て。FOB $5.00/kg のように表記され、為替変動リスクは買い手(日本側)が負う。一部大手はウォン建てや円建て対応可能だが、レートに1-2%のバッファーが乗ることが多い。T/T(銀行送金)30日後払いが標準、初回取引は50%前金+50%船積後が一般的。
Q4: HACCPやハラル認証は必須か?
A: 日本向けB2B取引ではHACCP認証が事実上必須。2021年以降、日本の食品衛生法改正でHACCPに沿った衛生管理が義務化されており、認証済み工場からの調達が推奨される。ハラル認証は必須ではないが、ムスリム向けインバウンド需要を狙う外食チェーンでは加点要素となる。







